皆さんこんばんは。ナベちゃんこと渡邉誠二です。

4月16日(日)の日経新聞朝刊第一面の見出しが、「株指数運用 市場を席巻」というものでした。
日本株市場では今や、投資信託の8割、年金運用の7割がインデックス運用とのことです。
そしてある企業年金の常務理事が、「銘柄の選別は労多くして成果が乏しい」と語っています。

本当にその通りです。投信会社に数年間勤めたことのある者として、こんなことを言うのは少し気が引けるのですが、確かに、有望銘柄を個別に選んで運用を行う、いわゆる「アクティブ運用」は、まさしく「労多くして…」の典型だと思っています。
もちろん、一人ひとりのファンドマネジャーやアナリストはとても優秀ですが、それがそのまま高い運用成績につながるかというと、決してそんなことはないわけです。

では、ファンドマネジャーに頼れないとするなら、有望そうに見える業種やテーマに絞って投資する形ではどうだ、ということで、毎年たくさんのテーマ型投資信託が作られます。新興国関連、インフラ投資、バイオ、AI等々、数え上げればきりがないほどですが、それらはいずれも、販売時には、「なるほど、確かに株価は上がりそうだ。」と投資家に思ってもらえるようなお化粧を施されて市場に出てきます。しかしそれらとて、市場で話題になっている段階で、すでに株価は上がってしまっているわけで、投資信託として世に出てくる段階ではもう遅過ぎるのです。

それらはみな、目先を変えて手数料を稼ごうとする業界論理の産物に過ぎません。

もはや、個別株のリスクを取るのは個人投資家しかいないのかもしれません。
そして近い将来、ファンドマネジャーやアナリストがいなくなってしまった世の中で、個別銘柄の分析はAIに任せるといった時代が来ようとしているのかもしれません。ただ、たくさんの異なる意見を持つ市場参加者がリスクを取って市場に参加するからこそ、公正な株価形成がなされるわけですから、個人投資家の重要性がなくなることはありません。

個人投資家は投資信託など買わずに、個別銘柄を買いましょう。