TMJ投資顧問代表 渡邉誠二の株ズバッ!!

渡邉誠二/58歳/新潟県出身。早稲田大学、シカゴ大学在学中にMBA取得。日興証券(ロンドン支社)やメリルリンチ証券、シティーバンクなどを経て独立。TMJ投資顧問 代表取締役に就任。

空売りファンド

Nasdaq総合指数が史上初めて6,000ポイントを超えて引けた

皆さんこんばんは。ナベちゃんこと渡邉誠二です。

昨日(4月25日)アメリカのNasdaq総合指数が史上初めて6,000ポイントを超えて引けました。

引けは0.7%高の6,026です。今年の米国株式市場ではクラウド関連企業の業績が絶好調とのことでハイテク株が値を飛ばしています。その流れを受け、Nasdaqも最高値を更新してきました。チャートを見ても3月から続いていたレンジ相場をきれいに上に突き抜けています。この流れはしばらく続きそうです。

Nasdaq指数が5,000ポイントに届いたのは2000年3月のことですが、そこから1,000ポイント上げて6,000に届くまでには17年、取引日ベースで4,308日かかっています。Nasdaq指数は1971年2月5日に100ポイントを基準にして取引が始まりましたが初めて1,000ポイントに乗せた1995年7月までに要した年数は24年、6,171日でした。今回の1,000ポイント上昇に要した4,308日というのは過去の1,000ポイントごとの節目に到達する期間の長さでは最初の1,000ポイント乗せに要した6,171日に次ぐ2番目の長さになります。

ちなみに過去の1,000ポイントごとの節目に達した時期とそれに要した日数は以下の通りです。

Nasdaq指数     時期       かかった日数
1000         1995年7月7日     6,171
2000               1998年7月17日           758
3000               1999年11月3日           329
4000               1999年12月29日      38
5000               2000年3月9日            49
6000               2017年4月25日     4,308

1999年から2000年にかけてのハイテク相場がいかにすごいものであったかがよくわかります。ここにきてドイツ株も最高値を更新してきていますしニューヨーク市場のS&Pやダウが、Nasdaqと同じように、3月から続くレンジ相場を抜けて高値を更新するのも時間の問題でしょう。日本株の史上最高値はまだはるか上の方にありますがオリンピックの頃にはひょっとするとひょっとするかも…ですね。

空売りファンド…

皆さんこんばんは。ナベちゃんこと渡邉誠二です。

私が世の中に空売りファンドというものがあることを知ったのは20年ほど前になります。
以前ヘッジファンド業務に携わっていた頃のことだったと記憶しています。
年金等の機関投資家は通常株式の買い持ちのポジションを大量に保有しているため、そのヘッジという意味合いから空売りファンドに運用を任せる場合があると聞いていました。

その空売りファンドなるものがアジアでも活発に活動しているらしいことを知ったのは恐らく2~3年前です。何かの拍子にGlaucus Research(グラウカス・リサーチ)というカリフォルニアの空売りファンドが、中国企業や香港企業の不正会計疑惑をレポートで取り上げていたのを見たのが最初でした。Glaucusがレポートを出した日付とその後の株価を見てみると、確かに株価はそのレポートが出た日から下げていることが多かったと思います。

そのGlaucusが伊藤忠に関するレポートを出したのは2016年の7月でした。Glaucusが日本に進出して初めて取り上げた企業が伊藤忠であり、それは海外鉱山の会計処理に不正があるのではという疑惑をもとに売りを推奨する内容でした。しかし、その後の株価を追ってみるとレポートが出た翌日は下げたもののその近辺が大底でその後、株価はトランプ相場にも乗って大きく上昇しています。また、Glaucus以外にもCitron(シトロン)という空売りファンドが2016年8月にサイバーダインの売り推奨レポートを発信しました。これもレポートが出た翌日は大きく下げましたがその後は横ばいといった感じです。日本のファンドでもWell Investmentsという会社がサイバーダインを売り推奨しています。

いずれの場合も日本株の売り推奨に関する限りはそれほどいいパフォーマンスは出せていないように思います。

しかし、株式レポートといえば買い一辺倒だった昔に比べ、売り推奨も出てくるようになったのはいい変化だと思います。証券会社は上場企業との関係悪化を嫌って売り推奨レポートを書くことはありませんし、新聞等のメディアも広告主である大企業の悪口は書けません。

空売りファンドのやり口(恐らく前もって売りポジションを作った上で売り推奨している)をどう見るのか、風説の流布には当たらないのか、そしてその質はどうなのか等の疑問は残りますが、色んなレポートが出てくること自体は悪いことではありません。

東芝、日本郵政と海外M&Aの失敗に関する報道が続いた日本企業ですがまだ表面化していないものも多いのかもしれません。空売りファンドの活躍に期待します。
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プロフィール
TMJ投資顧問 代表取締役の渡邉誠二です。 ここでは多くの個人投資家に向けた、株式情報/株式コラム/経済などを中心に私の個人的観点でつぶやいています。共感してもらえたら是非お気軽にコメントをください。
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