TMJ投資顧問代表 渡邉誠二の株ズバッ!!

渡邉誠二/58歳/新潟県出身。早稲田大学、シカゴ大学在学中にMBA取得。日興証券(ロンドン支社)やメリルリンチ証券、シティーバンクなどを経て独立。TMJ投資顧問 代表取締役に就任。

AI

人はなぜナンピン買いをしてしまうのか・・・

皆さんこんばんは。ナベちゃんこと渡邉誠二です。

4月に入って、株価の動きがさえません。
地政学リスクの増大と円高が主な理由と言えるでしょう。

こうした中、個人投資家で買いポジションを抱えて身動きが取れなくなっている方は多いのではないでしょうか。特に、年初から3月にかけて上昇が続いた新興市場の小型株で、含み損を抱えている方は多いと思われます。そして、より傷口を広げてしまうのが「ナンピン買い」です。

人はなぜナンピン買いをしてしまうのでしょうか。

まず第一に、人間は損失を受け入れることができないからだと考えられます。
人は利益を出した時の喜びよりも、損を出した時の悔しさの方が2倍位大きいと言われています。
損失を認めたくない、失敗を認めたくない、という人間の心理のバイアスがナンピン買いの動機となっていることは十分考えられます。1000円で買ったものが値下がりして500円になった時、1000円で買いだと思った自分の判断は間違いだったことになります。そんな時、1000円で買いだったのだから、500円ならもっと買いなんだと無理矢理思いこもうとしてしまうのでしょう。

第二に、人間は自分が他人よりも優れていると思いたいからだと思います。
確かに、ナンピン買いがうまくはまった時の快感は大きなものです。私自身の経験でも、思わず周りのみんなにも自慢したくなる位でした。そんな時には、自分は他人よりも優れている、という思いに浸ることができるものです。それは、他人から「すごいヤツ」として認められる快感でもあります。

そしてそれは、言い換えるなら、小さい子供が母親から「よくできたわねぇ。」と頭をなでてもらっている感覚に通じるものだと思います。人間はいくつになっても母親からほめてもらいたい動物なのです。

そんな人間の様々な心理が入り込むことによって、投資家の行動は大きく左右されます。
それゆえに、洋の東西、時代を問わず、個人投資家の90%以上は負け組としてマーケットから退場させられてしまうのでしょう。株式市場においては、人間の自然な感情のままに行動していたら、確実に負けるということです。

もうホント、AIに投資をやってもらいたいくらいです。



ファンド運用の世界にもAIの波が押し寄せてきている

こんにちは。ナベちゃんこと渡邉誠二です。

昨今、碁や将棋、自動車の自動運転、そしてファンド運用に至るまで、AIという言葉を聞かない日はない。
AI元年が2016年なのか、2017年なのか、そんなことはどうでもいいが、我々の生活の中に着実に浸透してきていることは間違いない。
しかしそうは言っても、碁も将棋もやらず、車は15年間乗った国産車という私には、なかなかAIを身近に感じる機会はない。0ffb04fc3583c8c77347

ファンド運用の世界にもAIの波が押し寄せてきていると聞き、「AIファンド」でググってみたら、三井住友アセットの「グローバルAIファンド」という投資信託が出てきた。
この「グローバルAIファンド」は、2016年9月に純資産額900億円で設定され、半年経った今ではその残高は2,500億円を超えているという。
当初設定額の900億円も大した数字だと思うが、それからの半年で2,500億円超えというのは、”スター誕生”といえるのではないか。
また、運用成績を見てみると、3月9日現在の基準価額が11,920円で、今まで一度も配当を払っていないので、設定来のリターンはそのままの+19.2%ということだろう。
同期間の日経平均とNYダウのリターンを調べてみたら、それぞれ+14.6%と+15.3%であった。
「グローバルAIファンド」は昨年9月の設定であり、その後のトランプ相場にうまく乗った格好だが、そのパフォーマンスは日米のベンチマークを上回っており、まずまずと言えるだろう。
ただこのファンドは、世界のAI関連企業の株式に投資をすることから「グローバルAIファンド」と名付けられたのであって、ファンドの運用自体は、このファンドを実質的に運用するアリアンツ・
グローバル・インベスターズのファンドマネジャーが行っている。
普通のアクティブ運用であり、AIが運用しているわけではないのだ。

やはり、運用そのものをAIが行うファンドといえば、ヘッジファンドということになるのだろう。
私自身、20年ほど前にはヘッジファンド関連の仕事に就いていて、当時は業界の動きを注視していたものだが、今ではすっかり縁遠くなってしまった。
それでもルネッサンステクノロジーツーシグマの名前は知っている。
もともと両社とも、高度な数学的手法で運用するスタイルで、一般的には「クオンツ」と呼ばれていたが、どうやら最近ではAIを駆使した運用に進化を遂げたらしい。
その運用成績も群を抜いていて、両社とも兆円単位の預かり資産を有し、経営者の報酬も桁違いだ。

個人投資家も、こうした連中と同じ土俵(=株式市場)で戦わなければならないのだから厄介である。
しかし、同時に、個人投資家はAIに勝てるのか、みたいな論調もナンセンスだと思っている。
個人投資家は個人投資家らしいやり方で十分勝てるはずなので、この相場に乗り遅れないようにしたいものだ。
それにしても、今から10年もしたら、個人投資家もみんな自分のAIで武装するようになって、AI対AIの空中戦が市場で繰り広げられるのだろうか。
そんな市場はあまり見たくないなぁ。
TMJ投資顧問
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プロフィール
TMJ投資顧問 代表取締役の渡邉誠二です。 ここでは多くの個人投資家に向けた、株式情報/株式コラム/経済などを中心に私の個人的観点でつぶやいています。共感してもらえたら是非お気軽にコメントをください。
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